
厚生労働省の調べによれば、2014年に結婚した夫婦が年間約64万組だったのに対し、離婚した夫婦が22万組。せっかく周囲に祝福されて結ばれた2人なのに、こんなに多くの夫婦が離婚を選択しているのは、なんだか夢のない現実だ。
結婚願望を持つ独身者としては、できれば“バツ”をつけることなく幸せな家庭を築きたい。そのためには、どのような点に気をつけるべきだろうか? 心理学者の内藤誼人先生に相談してみた。
夫婦ゲンカの理由、1位は経済事情
「身も蓋もない話かもしれませんが、米アイオワ州立大学の心理学者ランド・コンガー氏が発表したデータによれば、パートナーと口論になりがちな要因の第1位は、“経済的な困窮”にあることが判明しています。これはコンガー氏が200組の新婚夫婦を3年間にわたって追跡調査したもので、経済的に余裕のある夫婦ほど、口論の頻度が少ないことが明らかになったのです」
愛情の欠如や性格の不一致よりも、お金の問題が夫婦ゲンカの引き金になりやすい。夢のない話だけど、リアリティはある。
「経済的に逼迫すると、人はどうしても心に余裕がなくなります。その意味で、金持ち喧嘩せずという言葉は正しいといえるでしょう。困窮すると人はパートナーに対して侮蔑や批判の言葉を発しやすくなることが、心理学の世界では実証されています」
すると、収入の心許ない男子は、結婚しても円満な夫婦生活が送れないということ?
「たしかにコンガー氏が発表したデータは、貧困層同士の結婚は長く続かない可能性を示唆しているかもしれません。しかし、女性は男性の経済力だけに惹かれるものではありませんし、昨今は女性の社会進出が進んでいます。2人あわせて人並みの世帯収入が得られるのであれば、幸せな家庭を築くことは十分可能でしょう」
男のプライドを守るのもいいが、力を合わせて頑張る姿勢が大切ということだ。