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「足がつりやすい」 は大病の危険信号!?

ふとした時に「アイタタタ…!!」と足がつる経験、誰もがありますよね。実はこの現象に“大病”が隠れている可能性があるらしい…。

ということで、“足のつり”を専門的に研究している国立米子工業高等専門学校の大野政人先生にお話を聞くことに!

「そもそも筋肉は運動神経の命令によって収縮しているのですが、筋肉の内部で『筋肉をもっと収縮させろ』と命令を出すスイッチとなる“筋紡錘”という器官と、『筋肉をもっと緩ませろ』と命令を出すスイッチとなる“腱器官”がバランスよく働いて正常な動きを保っているんです。『足がつる』という現象は、その2つの器官の働きのバランスが崩れて、『筋肉をもっと収縮させろ』という命令ばかりが出たり、『筋肉をもっと緩ませろ』という命令が少なくなってしまった時に起こります」(大野先生、以下同)

その命令のバランスが崩れるのは、どんな時ですか?

「筋肉が疲れている時や、体内の水分が足りていない時、血液中のナトリウム・カルシウム・マグネシウムなどの“電解質濃度”のバランスが崩れた時ですね。スポーツの世界では、足がつった時に『塩をなめるといい』とよくいわれますが、これは失われたナトリウムを塩から吸収できるからなんですよ」

でも、寝ている時に足がつることがありますが…それはどうしてなんですか?

「寝ている時は、足の筋肉が緩み、腱も緩んでいる状態です。その状態だと、『筋肉を緩ませろ』と命令する“腱器官”の働きが弱くなります。そんな時に無意識に体を伸ばすと、足がピンとつってしまうことがあるんですよ」

大野先生によれば、長時間同じ姿勢でデスクワークをしている時もこれと同じ条件で、足がつりやすいのだとか。

そんな「足がつる」現象ですが、“大病”のリスクが隠れているって本当ですか…?

「そうですね。ご説明したように、足がつりやすいのは、体内の水分不足や電解質などの栄養バランスが崩れた時です。そのため、水分や栄養をコントロールしている“臓器”に異常をきたしている時、足がつりやすくなる傾向にあるんです。例えば、体内の水分をコントロールするタンパク質を作っている“肝臓”が悪くなっている可能性が考えられますね。また、“腎臓”の機能が低下していると、タンパク質などの栄養や水分が再吸収されずに尿として出ていってしまうので、水分がうまく体内に行き渡らずに、足がつってしまう場合もあります」

足がつるって、筋肉の話だと思っていたのに、臓器の異常が関係しているなんて…!

「さらに、筋肉の動きには“神経”も密接に関わっているので、体内の諸神経に悪影響を与える『糖尿病』の可能性も。実際、糖尿病の方は、足がつる症状が出るケースがかなり多いんです」

肝臓病に腎臓病に、糖尿病…。足がつるって、かなり怖い!!

「単純に水分が不足していたり、筋肉が疲れていたりして足がつっている場合も多いので、一概に大病のリスクがあるとは言えません。ただ、『最近、急に足がつる頻度が増えた』という人は、体になんらかの異常をきたしている可能性があります。また、アルコールや糖分を多く摂取しすぎていたり、運動不足であったりと、肝臓や腎臓を悪くする生活習慣を送っている方は気をつけた方がいいかもしれませんね」

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