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憧れの名作 「リプロダクト家具」5選

有名デザイナーの家具を買ってみたいけど、値段が高すぎて手が出ない…というように、憧れの家具を泣く泣くあきらめた経験はないだろうか? そんな人たちに知ってもらいたいのが「リプロダクト家具」だ。

リプロダクト家具とは、デザインの版権である「意匠権」の切れた有名家具を、他メーカーが安価に生産したもの。日本での意匠権は20年で切れるため、それ以前の作品については、材質を変えたり人件費を抑えたりして作り直し、販売することができる。いわば特許の切れた医薬品を他社が安く生産するジェネリック医薬品の家具版のようなイメージだ。

「オリジナルと同じデザインの作品が、リプロダクト家具では10分の1ほどの価格になることもあります。それだけでなく、現代人の生活に合わせてディテールを調整したり、昔はなかった素材を使ったりと、時代に合わせて改良しているのもリプロダクト家具のメリットです」

そう語るのは、リプロダクト家具の販売を行うE-comfortの増田直行氏。高級路線と格安路線の二極化が進んできた家具業界にあって、双方の良さを”イイとこ取り”できるリプロダクト家具は、人気に拍車がかかっているようだ。家具によっては材質を数種類から選べるものもあり、予算や好みに合わせられることも人気の一因。

では、実際にどんなリプロダクト家具があるのだろうか。増田氏に、レベルの高い作品をコメント付きで5つ紹介してもらった。

■LC2ソファ 1P:15万5000~17万5000円
「著名な建築家である、ル・コルビジェの作品。デザイナー家具の定番であり、グランコンフォート(大いなる快適)と名付けられています。オリジナルの約4分の1の価格ですね」

■イームズ ラウンジチェア&オットマン 17万8000~20万6000円
「1956年に発表された作品で、デザイナーはチャールズ&レイ・イームズです。オリジナルの価格は70万円ほど。何十年にもわたり『憧れのリビングチェア』といわれてきた家具です」

■ザ・チェア 4万9000~9万4000円
「1960年のアメリカ大統領選の際、ケネディとニクソンがテレビ討論会で座った椅子として有名。ハンス・ウェグナーのデザインで、オリジナルは約70万円。こちらは1950年に出た作品のリプロダクトです」

■チューリップダイニングテーブル ウッド 8万7000~9万5000円
「エーロ・サーリネンが生んだ名作で、『サーリネンテーブル』として親しまれています。テーブルの中では特に人気が高く、オリジナルは約50万円。こちらはウッドですが、同じデザインで大理石のものもあります」

■290イージーソファ 3P:18万1000~33万円
「人気のある北欧デザインの作品で、オリジナルは40万~60万円超。スプリングなどは当時のオリジナルと同じ仕様になっており、座り心地を忠実に再現。材質や張地をさまざまに組み合わせられます」

安さが特徴のリプロダクト家具だが、もちろん使い心地も大切。増田氏は、「リプロダクト家具の中には、形だけを似せたものもあります。購入の際は、実物を見たり触ったりして、感触を確かめてください」と言う。

あくまで買う際は慎重に。そうすれば、憧れの家具が手に入るかもしれない

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